QNAP の通知センターの使い方を調べているうちに、ふとわが家の QNAP のボリューム構成を確認してみたところ「なんでこんな構成にしたんだろう?」と疑問が湧いてきました。
QNAP のボリュームタイプは「静的」「シック(Thick)」「シン(Thin)」の 3種類から選択することができ、わが家の構成では「シック」が採用されていました。しかも「シック」が 2つという構成です。
調べてみた
「静的」は従来から存在しているボリュームタイプです。RAID を構成したディスク上に固定的なボリュームを作成するためボリューム作成後はボリューム容量は変更できませんが、アクセス速度は一番速いという特徴があります。しかし、古いボリュームタイプなので今時なスナップショット機能が使えません。
「シン」は新しいボリュームタイプで、実ディスク容量を超えたボリューム容量を設定できます。まずディスク上に「ストレージプール」を作成し、その中に「シンボリューム」を作成します。論理的な枠だけを確保する感じで、実際は保管したファイルの分だけしか使いません。「静的」に比べるとアクセスが遅い(らしい)のですが、あとからでもボリューム容量を変更できます。そして、スナップショット機能が使えます。
「シック」は「静的」と「シン」の中間的なボリュームタイプです。実ディスク容量(ストレージプール容量)を超えたボリューム容量は設定できず、ボリューム作成時に指定した容量の全てがあらかじめストレージプール上に確保されてしまいます。
ただし、ボリューム容量はあとからでも変更できますし、スナップショット機能も使えます。あらかじめストレージプール上にボリューム容量を確保することから「シン」に比べて少しだけアクセス速度が速いらしいです。
という「シン」と「シック」の違いを調べているうちに QNAP の公式情報としてスナップショット機能を使う時は「シン」が推奨、という記載を見つけて心が動きました。
恐らく初期構築をした時のワタシは以下の目標を設定したのだと思われます。
・スナップショット機能を使いたい(「シン」or「シック」)
・アクセス速度は速い方がいい(「シック」)
今になって考えてみると、ちょっと目標が違ってますね。
・ディスク容量は無駄なく使いたい
・一般家庭での利用なので(データのバックアップが主)多少速度が遅くても問題ない
というわけで、ボリュームタイプの変更
「シン」でも「シック」でもあとからボリューム容量を変更できるのはわかりましたが、「シック」から「シン」にボリュームタイプを変更することはできるのかを調べてみました。これができないとデータをどこかに退避してディスクの再フォーマットからのやり直しになってしまうからです。
そして、「シック」と「シン」は相互にボリュームタイプを変更することができると確認できました。
では、作業開始です。まずは現状の確認です。
DataVol1 というシックボリュームと、Photo_Vol というシンボリュームの 2つがあります。
・DataVol1 をシンボリュームへ変換
・Photo_Vol の内容を DataVol1 へ移動
・Photo_Vol を削除
・DataVol1 の容量を拡張
という作戦です。
右上の「管理」から「アクション」「シンボリュームへの変換」を選びます。
確認画面です。「適用」をクリックすると変換処理が始まります。
シンボリュームへの変換が始まりました。
シックボリュームの容量にも依存すると思うのですが、シンボリュームへの変換は 3 分ほどで完了しました。
DataVol1 がシックボリュームからシンボリュームに変換されました。
ここからデータの移動です。Photo_Vol のファイルたちを DataVol1 へ移動します。これはだいぶ時間がかかりました。ながら作業で 4 時間くらいですかね。
Photo_Vol 上の共有フォルダーをすべて削除すると、自動的にボリュームが消えてしまいました。
あ続いて、残ったボリュームの容量をストレージプールの最大容量まで拡張します。「管理」「アクション」「ボリュームサイズの変更」へ進みます。
画面中央の右側に「プール容量に設定」というボタンがあるので、これをクリックします。
1TB から最大容量の 2.63TB に拡張できるようです。「適用」をクリックすると反映されます。
事前の見積もりよりちょっと少ないですが、2.61TB のボリュームに変わりました。
ということで、思っていたよりもお手軽にシックボリュームをシンボリュームに変換することができました。ディスク容量も有効に使えるようになったと思われ満足です。