Ryzen 5 5600G は 2021年 8月に発売された APU なのでだいぶ今更感はありますが、愛する「艦これ」をより快適にプレイできるようにと挑戦してみました。
困っていること
Firefox で「艦これ」をプレイしているのですが、たまに描画がカクカクしちゃうことがあり、これを解消したいのです。
Firefox を起動して割とすぐに発生する場合もありますし、ある程度の長い時間を経過した頃にも発生することもあって発生条件はイマイチはっきりしません。
しかし、航空機が飛び交うシーンでよく発生するようです。一度発生するとしばらくカクカク状態が続き、1 〜 2 分くらいで収まるような感じです。
(誰ですか、さっさと dGPU を買ってしまえと言ってる人は。聞こえません・・・)
試してみたこと
PCの環境は以下のような感じです。
CPU: Ryzen 5 5600G
Chipset: B450
GPU:iGPU(SCLK 1900MHz)
Memory: DDR4-3200(MCLK 1600MHz)
OS: LMDE 6(Linux kernel 6.5)
Mesa: 23.2.1
・メモリーのオーバークロック
標準の 3200MHz(1600MHz x2) から 3600MHz(1800MHz x2)へとクロックアップしてみました。その後に CAS Latency も標準の 22-22-22-52 から 19-19-19-46 に変更してみました。
「System Memory Multiplier」に「34」とか「36」と入力して Enter キーを押すと設定されます。一番はじめは途方もない値を入力してしまったのか、PC を再起動すると BIOS が post せずに泣く泣く CMOS クリアー(マザーボード上のボタン電池を一時的に取り外す)で復旧させました。
その後はいきなり目標値の 3600MHz ではなく、3400MHz に変更して感触を確かめてみました。
CAS Latency を調整するにはまず「Memory Timing Mode」を「Manual」に変更し、その後に「Standart Timing Control」配下にある「CAS Latency」などを調整していきます。こちらも「19」などの具体的な数値を入力して Enter キーで確定させます。
・iGPU のオーバークロック
標準の 1900MHz から 2000MHz へとクロックアップしてみました。2200MHz も試しています。
BIOS の「M.I.T」タブに「GFX Clock Frequency」「GFX Core Voltage」の値を調整します。はじめは「GFX Clock Frequency」に「2000」と入力して Enter キーで確定させ、その後に PC を再起動したのですがなぜか SCLK は標準の 1900MHz のままで変わりませんでした。
その後に「GFX Core Voltage」を「Auto」ではなく「1.25V」と指定してみたところ、無事に iGPU の SCLK が BIOS で指定した値で動くようになりました。
どのオーバークロックも上限を攻めていないのでワタシの環境では安定動作しています。
試してみた結果
メモリーのクロックアップは Cinnamon の動作も若干キビキビ感が増した気がします。iGPU のクロックアップも Firefox のページ表示がサササっとした感じがします。
体感だけではよくわからないので、ちょっとだけベンチマークテストを実施してみました。
まずは Basemark Web 3.0 の結果です。
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MCLK=1600MHz(DDR4-3200) |
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MCLK=1700MHz(DDR4-3400) |
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MCLK=1800MHz(DDR4-3600) |
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MCLK=1800MHZ(DDR4-3600)+ CL19 |

MCLK=1600MHz(DDR4-3200)

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MCLK=1700MHz(DDR4-3400) |
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MCLK=1800MHz(DDR4-3600) |
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MCLK=1800MHz(DDR4-3600)+ CL19 |
よくわかりません。あまり気にしないことにしました。
着地点
メモリークロック(MCLK)は 1800MHz に設定し、CAS Latency も 19-19-19-46 に変更しました。さらに iGPU のクロック(SCLK)は 2000MHz に設定しました。
MCLK=1800MHz だけの状態で「艦これ」のカクカクが解消しませんでした。標準状態よりは緩和された感じですが、解消まではできませんでした。
これに加えて SCLK を 2200MHz まで上げてみましたが、やはり「艦これ」のカクカクが緩和されているものの解消しませんでした。
この辺りで iGPU のままだと「艦これ」のカクカクを解消するのは無理かとあきらめかけたのですが、最後の悪あがきとして CAS Latency も変更してみたところほぼなくなったような感触です。
SCLK を上げてもカクカクが解消するわけではなかったのと、当然のように GPU 温度と CPU 温度が標準状態よりも上昇してしまうため、この値はあまり変更しないようにしてみました。
「艦これ」のカクカク解消のためには GDDR5/6 クラスのメモリーの転送速度が重要なのではないかと思い始めた今日この頃です。(やはり dGPU が欲しいかも・・・)