すでにきっかけは忘れてしまいましたが、最近の液晶ディスプレイのリフレッシュレートの動向を調べてみました。
市場の動向を調べるにあたり、まずは定番の「価格.com」で売れ筋を確認してみることにしました。
そこで目撃したのがこちらです。
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主流は 75Hz なのか? |
リフレッシュレートが 75Hz に対応している製品の品数が圧倒的に多いようです。ワタシの使っている液晶ディスプレイのリフレッシュレートは 60Hz だったと思いますが、時代はいつの間にか 75Hz に進んでいたようです。
ふ〜ん、60Hz から 75Hz に変わるとどうなるんだろう?
ということで、いま一度ワタシの使っている液晶ディスプレイの仕様を再確認してみました。
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お?75Hz に対応しているのでは? |
なんと、解像度が 1920 x 1080 ではリフレッシュレートが 60Hz ですが、1280 x 1024 では 75Hz で動くみたいですね。
試してみましょう。
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「設定」「ディスプレイ」 |
Linux Mint の「設定」「ディスプレイ」 から画面の解像度とリフレッシュレートが選択できるようになっていますが、解像度 1280 x 1024 を選んでもリフレッシュレートには 75Hz が登場してきません。どうしてでしょう?
xorg.conf に手動で解像度情報(Modeline=〜)を追加すればいいのかな?ということで調べてみると、今の時代は XRandR という機能で Xserver を再起動しなくても動的に解像度を変更できるということです。
なるほど、Linux Mint の「設定」「ディスプレイ」も動的に変更できてビックリしたんですが、きっとこの XRandR の機能を活用しているんですね。
ということで、まずは Modeline の指定値を生成します。gtf というコマンドを使います。
$ gtf 1280 1024 70 # 1280x1024 @ 70.00 Hz (GTF) hsync: 74.62 kHz; pclk: 128.94 MHz Modeline "1280x1024_70.00" 128.94 1280 1368 1504 1728 1024 1025 1028 1066 -HSync +Vsync
続いて、現状の確認です。「HDMI-A-0」という出力名には 1280 x 1024 という解像度がありますが、リフレッシュレートは 60Hz のみです。
$ xrandr Screen 0: minimum 320 x 200, current 1920 x 1080, maximum 16384 x 16384 HDMI-A-0 connected primary 1920x1080+0+0 (normal left inverted right x axis y axis) 476mm x 268mm 1920x1080 60.00*+ 50.00 59.94 1680x1050 60.00 1600x900 60.00 1280x1024 60.02 1440x900 60.00 1280x800 60.00 1280x720 60.00 50.00 59.94 1024x768 60.00 800x600 60.32 720x576 50.00 720x480 60.00 59.94 640x480 60.00 59.94 DVI-D-0 disconnected (normal left inverted right x axis y axis) DisplayPort-0 disconnected (normal left inverted right x axis y axis)
Modeline 情報を動的に作ります。成功しても特に応答メッセージはありません。
$ xrandr --newmode "1280x1024_70.00" 128.94 1280 1368 1504 1728 1024 1025 1028 1066 -HSync +Vsync
作った情報を使えるように組み込みます。こちらも成功しても特に応答メッセージはありません。
$ xrandr --addmode HDMI-A-0 1280x1024_70.00
このまま xrandr コマンドで解像度を切り替えられるのですが、せっかくなので Linux Mint の「設定」「ディスプレイ」を使ってみましょう。
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75Hz が選択肢に登場した |
すばらしい。
で、75Hz を試してみたのですが、よくわかりませんでした。
この液晶ディスプレイは解像度が 1920 x 1080 以外だと強制的にズームして表示する仕様だそうで、解像度が 1280 x 1024 ではズームされて間延びしてしまいます。この状態で 60Hz と 75Hz を試してみましたが、ブラウザーを操作しても目に見えた違いは感じられませんでした。
また、この実験を通してわかったのは、先ほどの「価格.com」にカテゴライズされている「リフレッシュレート 75Hz」というのは「一部の解像度で 75Hz が選択できる」という意味であったということです。決して、FullHD(1920 x 1080)で 75Hz に対応しているわけではなかったということになります。
いろいろと勉強になりました。