今頃ですが、Linux Mint をインストール後に実施すべきカスタマイズ項目として NTP サーバーの変更を試してみました。
まずは現状の確認です。timedatectl コマンドに timesync-status を指定することで、どの NTP サーバーを使用しているかが確認できます。
~$ timedatectl timesync-status
Server: 2001:67c:1560:8003::c7 (ntp.ubuntu.com)
Poll interval: 17min 4s (min: 32s; max 34min 8s)
Leap: normal
Version: 4
Stratum: 2
Reference: 86474215
Precision: 1us (-24)
Root distance: 33.110ms (max: 5s)
Offset: +55.788ms
Delay: 253.606ms
Jitter: 36.584ms
Packet count: 153
Frequency: -12.300ppm
未カスタマイズな状態なので ntp.ubuntu.com というサーバーを使用していました。IP アドレスは IPv6 でしたね。この OS は Ubuntu ベースの Linux Mint 20.3 です。
その NTP サーバーに PING を打ってみます。
~$ ping ntp.ubuntu.com PING ntp.ubuntu.com(golem.canonical.com (2001:67c:1560:8003::c7)) 56 データ長(byte) 64 バイト応答 送信元 golem.canonical.com (2001:67c:1560:8003::c7): icmp_seq=1 ttl=50 時間=250 ミリ秒 64 バイト応答 送信元 golem.canonical.com (2001:67c:1560:8003::c7): icmp_seq=2 ttl=50 時間=259 ミリ秒 64 バイト応答 送信元 golem.canonical.com (2001:67c:1560:8003::c7): icmp_seq=3 ttl=50 時間=252 ミリ秒 64 バイト応答 送信元 golem.canonical.com (2001:67c:1560:8003::c7): icmp_seq=4 ttl=50 時間=250 ミリ秒 64 バイト応答 送信元 golem.canonical.com (2001:67c:1560:8003::c7): icmp_seq=5 ttl=50 時間=251 ミリ秒 ^C --- ntp.ubuntu.com ping 統計 --- 送信パケット数 5, 受信パケット数 5, パケット損失 0%, 時間 4005ミリ秒 rtt 最小/平均/最大/mdev = 250.096/252.664/259.301/3.403ミリ秒
PING への応答が 252 ミリ秒とけっこう時間がかかっていますね。NTP サーバー設置場所までの距離もあると思うんですが、Ubuntu やら Linux Mint のデフォルトの NTP サーバーとして設定されているのでサーバーの負荷が高いのかもしれませんね。
Ubuntu や Linux Mint のインストール後に NTP サーバーをカスタマイズされている方はだいたいが NICT の NTP サーバーに変更しているようです。試しにそのサーバーに PING を打ってみます。
~$ ping ntp.nict.jp PING ntp.nict.jp(ntp-a3.nict.go.jp (2001:df0:232:eea0::fff4)) 56 データ長(byte) 64 バイト応答 送信元 ntp-a3.nict.go.jp (2001:df0:232:eea0::fff4): icmp_seq=1 ttl=40 時間=16.5ミリ秒 64 バイト応答 送信元 ntp-a3.nict.go.jp (2001:df0:232:eea0::fff4): icmp_seq=2 ttl=40 時間=16.3ミリ秒 64 バイト応答 送信元 ntp-a3.nict.go.jp (2001:df0:232:eea0::fff4): icmp_seq=3 ttl=40 時間=18.1ミリ秒 64 バイト応答 送信元 ntp-a3.nict.go.jp (2001:df0:232:eea0::fff4): icmp_seq=4 ttl=40 時間=15.3ミリ秒 64 バイト応答 送信元 ntp-a3.nict.go.jp (2001:df0:232:eea0::fff4): icmp_seq=5 ttl=40 時間=10.8ミリ秒 ^C --- ntp.nict.jp ping 統計 --- 送信パケット数 5, 受信パケット数 5, パケット損失 0%, 時間 4006ミリ秒 rtt 最小/平均/最大/mdev = 10.791/15.398/18.082/2.467ミリ秒
Ubuntu の NTP サーバーとは段違いの PING 応答速度ですね。15 ミリ秒で返ってきます。こちらの NTP サーバーも IPv6 アドレスですね。
というわけで、ワタシも NICT の NTP サーバーに変更してみます。まずは /etc/systemd/timesyncd.conf を編集します。
[Time] NTP=ntp.nict.jp #FallbackNTP=ntp.ubuntu.com #RootDistanceMaxSec=5 #PollIntervalMinSec=32 #PollIntervalMaxSec=2048
編集が終わったら timesyncd を再起動します。
systemctl restart systemd-timesyncd
再起動が終わったら、再び timesync-status で NTP サーバー名を確認してみます。
~$ timedatectl timesync-status
Server: 2001:df0:232:eea0::fff3 (ntp.nict.jp)
Poll interval: 1min 4s (min: 32s; max 34min 8s)
Leap: normal
Version: 4
Stratum: 1
Reference: NICT
Precision: 1us (-20)
Root distance: 0 (max: 5s)
Offset: +26.141ms
Delay: 13.114ms
Jitter: 0
Packet count: 1
Frequency: +198.995ppm
NTP サーバー名が変更されていますね。これでカスタマイズ完了です。
NTP サーバーへの負荷対策として、単一のサーバーを登録するのではなく複数のサーバーで負荷を分散させるための pool.ntp.org という活動？グループ？があるようです。
まさに pool.ntp.org と指定すると世界全体に用意された NTP サーバー群からランダムにサーバーが選択され、処理を分散させることができるようです。また、日本の NTP サーバー群だけをピックアップした jp.pool.ntp.org も存在しているので、日本国内であればこちらを timesyncd.conf に定義すると世の中がハッピーになるのではないかと思います。