2021-06-27

Windows11 からの UEFI 化からの Smart Access Memory

 2021年内に登場するという Windows11 の稼働条件が発表され、その中の一つに BIOS の UEFI モード化が必須、というものがありました。

Linux Mint とか Ubuntu  を使うにあたって、BIOS の UEFI モード化はハードルが高いんじゃないかと思っていたのですが、最近は在宅勤務で Windows を使うようになったため、重い腰を上げて BIOS の UEFI モード化に挑戦してみました。

UEFI モードにするには OS が格納されているディスクを MBR 形式ではなく、GPT 形式でフォーマットする必要があります。現在、HDD なり SSD なりのシステムディスクが MBR 形式でフォーマットされている場合には GPT 形式への再フォーマットが必要になります。ええ、OS の再インストールということですよ・・・。

これはとても面倒そうで腰が重くなってしまいますよね。

しかしなんと、Windows 上で MBR2GPT というディスクの再フォーマットなしで GPT 形式に変換してくれるコマンドが用意されているということを発見してみました。

結論から言うと、ワタシの環境では変換できませんでした。MBR ではプリマリーパーティションを 4つまで作成できるのですが、ワタシの環境ではすでに上限の 4つまで作成済みであったため、空きがなく変換できなかったようです。


こうなったらディスクを再フォーマットする覚悟で、先日に作ったばかりの Windows の「回復ドライブ」となる USB メモリーを挿し込み、PC を起動してみました。

回復ドライブが動き出したものの、いざ Windows の復元を指示してみたところ、なんと結果は失敗。(なんか始める前のチェック的な部分でダメな模様)

えぇ、せっかく PC の台数分の USB メモリーを買ったのに、回復できないってどういうことですかぁ・・・。

となれば、Microsoft のサイトから Windows10 の ISO イメージをダウンロードして、最初からの再インストールをしてみることにしました。もうこの使えない回復ドライブが入った USB メモリーは上書きして ISO イメージを格納しちゃうことにしました。

ISO イメージのダウンロードは順調に完了し、Linux Mint の「USB イメージライタ」で書き込みました。いざ、PC を再起動させてみると途中で「USB メモリーのドライバーが見つからない」と申します。先に進めません・・・・。

Linux Mint で作ったから嫌われてるのでしょうか?仕方がないので今度は Windows 上で「メディア作成ツール」を使って同じ USB メモリーに ISO イメージを書き込みました。こちらは正常に用意できたようで、Windows10 のインストールがどんどん進んで行きました。

1時間くらいかかるかと思っていたのですが、15分くらいで終わってしまい拍子抜けです。その後に Windows Update でいくつかパッチの最新化が必要でしたが。

Windows7 から育てた Windows10 が再フォーマットでキレイにインストールされ、気分はサッパリしました。Firefox と LibreOffice を追加でインストールしたくらいでもうセットアップは終了です。iTunes は最近はほぼ使っていないのでインストールしませんでした。Spotify があれば十分ですし。

さて、Windows10 が準備できたので、今度は Linux Mint をデュアルブート用に追加インストールです。(怖いのでセキュアブートは無効のままです)

手持ちの linuxmint-20.1-cinnamon-64bit-edge.iso を書き込んである USB メモリーを使用して PC を起動します。この時、忘れずに UEFI での起動を選択しておきます。

Windows10 の再インストール時に Linux Mint のシステムパーティションと /home パーティションはフォーマットされて消えています。システムパーティションは何度も再インストールで上書きしていますが、/home パーティションが消えるのは初めてかもしれません。

Linux Mint の再インストールは相変わらずに短時間で終了します。いつもは再インストールが終わると /home が残っているのであっという間に環境が復元されるのですが、今回ばかりは素の Linux Mint に戻ってしまい、いろいろと再設定が必要な状態です。


 

システムディスクのフォーマットによる GPT 化と BIOS の UEFI モード化は無事に完了し、Windows10 -> Linux Mint という順番で再インストールすると、BIOS は Linux Mint の GRUB を先に起動してくれるのでこれも想定通りで問題ありませんでした。GRUB からは Windows10 も起動できるようになっています。

さて、再インストールが終わって感じたことを少し列挙してみます。(主に Linux Mint 側)

・Smart Access Memory が使えるようになった
UEFI モードで起動できたので、ふと「Resizable BAR が正常にうごくのではないか?」と思い、BIOS で Resizable BAR を有効化してみると、レガシー BIOS モードでは OS 起動まで進まずに再び BIOS 画面に戻ってしまっていたのですが、UEFI モードだと OS 起動まで進みました。なんと、そういうことであったかぁ、と棚ボタ状態で幸せになりました。
効果としてはいつも通りですが「艦これ」のアニメーションがカクつくことが少なくなった気がします。
ちなみに、Ryzen 3 3100 + B450 + Radeon RX 570 という構成です。

[drm] Detected VRAM RAM=4096M, BAR=4096M

 

・サスペンドがちょっと待たされる
Linux Mint では「サスペンド」を常用しているのですが、レガシー BIOS モードの時よりも UEFI モードの方がサスペンド完了までに 3秒くらい余計に時間がかかるようになった気がします。
ついでに UEFI モードの方が起動が速くなるとよく聞きますが、ワタシの環境ではあまり変化はなかった気がします。

・初期設定がだいぶ変わっている
Linux Mint の /home がキレイになったためか、最近の初期設定がだいぶ変わっていることに気づきました。Firefox のプロファイルのリフレッシュのように、たまに初期状態に戻す機能があっても良いのではないかと思いましたね。
Linux Mint の「バックアップツール」でたまにホームディレクトリをバックアップしていたのですが、.bashrc とかがバックアップされていませんでした。いま見直してみると、バックアップツール上で意図的に選択しないと除外される設定になっていまいた。次からはバックアップ対象に含めようと思います。

・不具合が解消している
Flatpak版の LibreOffice では Fcitx による日本語入力に難があったのですが、いつの間にか解消していたようです。iBus で逃げていましたが、また Fcitx をメインで使ってみようと思います。

 

というわけで、ひょんなことから Windows10 と Linux Mint を同時に再インストールすることになったのですが、結果としては環境もキレイになり、しばらく悶々としていた Smart Access Memory も有効化でき、結果オーライな一日でした。