2023-02-18

Firefox の Canvas2D GPU アクセラレーションの効果を測定してみた

先日にリリースされた Firefox 110.0 から Canvas2D の GPU アクセラレーション機能が既定で有効化されたということでその効果を(簡単ではありますが)測定してみました。

Firefox 110.0 のリリースノートはこちらです。

Firefox 110.0, See All New Features, Updates and Fixes

リリースノートにはこんな記載があり、Linux Mint ユーザーとしてはなかなか期待が持てる内容になっていました。

GPU-accelerated Canvas2D is enabled by default on macOS and Linux.

WebGL performance improvement on Windows, MacOS and Linux.


さてさて、どれだけパフォーマンスアップしているのか、たまには客観的に数値で把握してみようじゃないか、ということで生まれて初めて MotionMark というベンチマークサイトを利用してみました。

あとから知ったのですが、そちらのリンク先は 1.0 だそうで、MotionMark 1.2 もあるそうです。今回は 1.0 で計測しています。

 

リリースノートを目にしてから手元の Linux Mint に Firefox 110.0 が配信されるまでにタイムラグがあったので、今回は以下の 3ケースを測定しています。

  • Firefox 109.0.1 Canvas=off
  • Firefox 109.0.1 Canvas=on
  • Firefox 110.0 Canvas=on

 

Firefox 109.0.1 では about:config から gfx.canvas.accelerated = true に変更した状態でも計測しています。この状態だと確かにブラウザーの描画がシャキシャキした感じがしました。
「艦これ」の画面もなんだかシャキシャキしていた気がします。(プラシーボ効果かもしれません)

 

では、さっそく計測結果のご紹介です。

比較項目Firefox 109 Canvas=offFirefox 109 Canvas=onFirefox 110
Score608.26677.76537.04
Multiply782.90813.90561.96
Canvas Arcs679.96667.50658.21
Leaves924.64903.48670.73
Paths2,314.832,333.892,187.32
Canvas Lines2,950.327,016.306,172.17
Focus207.58210.03150.47
Images141.53135.45127.26
Design120.02141.4681.65
Suits961.92932.99709.55

真ん中あたりにある「Canvas Lines」が大幅に向上しています。スゴい!と、言いたいところですが、その他の項目が 109 よりも 110 の方が成績が振るわないのです。この結果だけを見ると「なんか微妙」という一言に尽きます。

110.0 で「艦これ」をプレイしていて以前よりも遅いと感じることはないものの、もう少ししたら誰かがバグ報告して 110.0.1がリリースされるのかもしれません。(そもそもバグなのか、これは?)

(ご参考)
計測結果の表に記載した数値の元となる結果です。

Firefox 109 Canvas=off

 
Firefox 109 Canvas=on

Firefox 110.0

(追記)
Basemark Web という別なベンチマークツールでも計測してみましたが、こちらの結果はほぼ差がない感じでした。

Basemark Web 3.0 | Main page

Firefox 109

 
Firefox 110